不眠症に対する認知行動療法|ブログ|名古屋伏見こころクリニック
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こんにちは。
名古屋伏見こころクリニック院長の宮田明美です。
「布団に入っても眠れない」
「夜中に何度も目が覚めてしまう」
こうした不眠は、集中力の低下・気分の落ち込み・体調不良など、心身に大きな負担を与えます。
今日は、「医師による保険診療」と「心理士による睡眠カウンセリング」
この2つがどのように役割分担し、どのような方に向いているのかを分かりやすく解説します。
医師の役割は、主に「医学的に安全を確保しながら症状を整えること」です。
不眠の背景にある病気(うつ病、睡眠時無呼吸など)の診断
必要に応じた睡眠薬・抗不安薬などの処方
メリット・デメリットを踏まえた薬の調整
医学的観点からみた生活指導
まずは医師が不眠の原因を丁寧に評価し、治療の安全性・適切性を判断します。
不眠が長引く方の中には、次のような「行動や考え方のクセ」が深く関わっていることが多くあります。
「眠れなかったらどうしよう」という不安
長時間昼寝や、寝室でのスマホなどの習慣
布団に入ると考え事が止まらない状態
こうしたクセは薬だけでは改善しにくく、じっくり話し合いながら整えることが必要です。
そこで当院では、世界的に効果が認められているCBT-I(不眠症に対する認知行動療法)の考え方を取り入れた心理カウンセリングを提供しています。
欧米のガイドラインでは、睡眠薬よりも先に推奨される「第一選択の治療」です。
CBT-Iで行う主な内容
睡眠日誌を用いて、適切な睡眠時間を把握
布団=眠る場所に戻す「刺激制御法」
深い眠りの割合を高める「睡眠制限法」
「眠れないかもしれない」という不安を軽くする認知の調整
薬では改善しきれない“不安”や“習慣”に直接働きかけ、自分の力で自然に眠れるようになることを目指します。
睡眠薬を長年使用しており、減らしたい・やめたい
薬の効きが弱くなってきた、または副作用が心配
「また眠れないかも」と不安が強い
生活リズムを整え、再発しにくい状態を作りたい
「眠れる力」は、もともと誰の体にも備わっているものです。
CBT-Iは、その力を再び引き出すための「トレーニング」のようなものです。少し根気は要りますが、一度身につけた良い睡眠習慣は、一生の財産になります。
薬だけに頼るのではなく、自分の力で眠りを取り戻したい。そう思われる方は、ぜひ一度、診察室でご相談ください。一緒に最適な治療方針を考えていきましょう。
監修医師:宮田 明美(みやた あけみ)
名古屋伏見こころクリニック院長。医学博士。お茶の水女子大学心理学専攻卒業、名古屋市立大学医学部卒業。心理学と医学の両面からこころの問題に向き合い、精神科専門医・精神保健指定医・産業医として活動しています。
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