持続する抑うつ(持続性抑うつ障害/気分変調症)|ブログ|名古屋伏見こころクリニック
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持続性抑うつ障害は、うつ病と似ていますが、うつ病ほどは強くない軽いうつ症状が、慢性的に2年以上持続する病気です。
持続性抑うつ障害では、気分の落ち込みが続いても、日常生活はなんとか行える程度であることが多いため、性格の問題と捉えられたり、周囲の人から単なる甘えだと誤解されたりすることもあります。
持続性抑うつ障害の生涯有病率は約6%、時点有病率は約3%と言われています。つまり、人口の約6%、約16人に1人の割合でこの病気にかかっていることになります。
症状としては、以下のうち2つ以上が当てはまるとされています。
・食欲の変化(食欲の減退または増加)
・睡眠の変化(不眠または過眠)
・意欲の低下(気力の減退または疲労感)
・自尊心の低下(自信の低下)
・集中力の低下または決断困難(集中力低下・考えがまとまらない)
・絶望感(悲観的・絶望感)
持続性抑うつ障害は、やや女性に多く、若年で発症することが多いとされます。
また、パニック障害などの不安障害やその他の障害、薬物やアルコール依存を併発しやすいことや、一部はうつ病や双極性障害の気分障害を発症する場合もあります。
抗うつ薬に有効性を示した報告も多く、近年は一般的に抗うつ薬などの薬物療法が行われています。
長年の経過を経るなかで、無気力や無価値観を強めてしまい、自己肯定感が低い状態が続いていることがあり、認知や思考パターンの修正などを行う認知行動療法が有効なこともあります。
持続性抑うつ障害に、うつ病が重なった状態は、ダブル・デプレッション(二重うつ病)と呼ばれています。うつ病レベルの強い症状が回復した後は、また持続性抑うつ障害レベルの軽い症状に戻ることが多いです。
持続性抑うつ障害は、慢性的な経過をたどりやすいので、長い目で経過を見守るという病気と受け止めることも大切になります。症状が一時的に良くなったり、消えたりした状態を寛解と呼びますが、持続性抑うつ障害では、この寛解を目標に治療をしていきます。