脳のお掃除機能|ブログ|名古屋伏見こころクリニック
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皆さんは、寝不足のときに頭がぼーっとしたり、集中力が続かなかったりといった経験はありませんか?
「昨日はあまり眠れなかったからな…」と、原因はなんとなく睡眠不足だと分かっているものの、なぜそのような症状が起こるのか、深く考えたことはないかもしれません。
実は、私たちの脳には「グリンファティックシステム」と呼ばれる、睡眠中に老廃物を排出する特別なシステムが備わっていることが、近年の研究で明らかになってきました。
グリンファティックシステムは、脳内の「脳脊髄液」という液体を使って、神経細胞の活動によって生じた不要なタンパク質や老廃物を洗い流す、いわば「脳のお掃除システム」です。
このシステムが特に活発に働くのは、深いノンレム睡眠の時です。私たちがぐっすりと眠っている間、脳の神経細胞の周りにある「グリア細胞」が縮小し、隙間が広がります。その隙間に脳脊髄液が勢いよく流れ込み、脳に溜まったアミロイドβなどの老廃物を効率的に排出してくれるのです。
アミロイドβは、アルツハイマー病の原因物質の一つとして知られています。質の高い睡眠を確保することは、この老廃物の蓄積を防ぎ、将来的な認知症のリスクを下げることにもつながります。
この大切なシステムをより効果的に機能させるためには、以下のポイントを意識した生活を心がけましょう。
・質の高い睡眠を確保する
十分な睡眠時間(一般的には7〜8時間)を確保し、特にノンレム睡眠を深めることが重要です。規則正しい生活リズムを心がけ、寝る前のスマートフォン操作やカフェインの摂取を控えるなど、睡眠環境を整えましょう。
・適度な運動を取り入れる
運動は血流を改善し、脳脊髄液の流れを促進すると考えられています。
・水分補給をしっかりと行う
脳脊髄液の生成には水分が不可欠です。日頃からこまめに水分を摂るようにしましょう。
睡眠は単なる休息ではありません。グリンファティックシステムは、私たちが日中を活動的に過ごすために、そして将来の脳の健康を守るために、なくてはならない重要な働きを担っています。
監修医師:宮田 明美(みやた あけみ)
名古屋伏見こころクリニック院長。医学博士。お茶の水女子大学心理学専攻卒業、名古屋市立大学医学部卒業。心理学と医学の両面からこころの問題に向き合い、精神科専門医・精神保健指定医・産業医として活動しています。