大人のADHDとは|ブログ|名古屋伏見こころクリニック

ブログ

大人のADHDとは

Pocket

ADHD(注意欠如・多動症)は、幼少期から続く「不注意」「多動」「衝動性」が主な症状ですが、最近では大人になって初めてADHDと診断されるケースが多くなっています。

 

学校生活において、授業中に落ち着きがなく座っていることができない、おしゃべりをしてしまう、友達とすぐにケンカをしてしまう等、多動や衝動性が強く出ている場合、学校の先生や家族が気づいて、小児科や児童精神科への受診につながり、ADHDと診断されます。

 

一方で、多動や衝動性がなく、教科書の忘れ物が多い、授業中に居眠りをしてしまうという不注意の症状が中心である場合、その人の性格や個性として認識されることがあります。周囲の人に気づかれずに学校を卒業し、成人して社会に出てから職場でケアレスミスが多発するなど、不適応が出現してはじめて医療機関を受診し、ADHDと診断されるケースがあります。

 

ADHDは子供がなるものと思われがちですが、大人のADHDも少なくありません。大人のADHDは、子供の頃からの症状が残るケースと、大人になって初めてADHDと気づく場合があります。

 

ADHDは不注意優勢型、多動・衝動性優位型、混合型という3つに下位分類され、診断に至った時点でどういった症状が優位に認められるかによって分類されています。成人期ADHDの場合、90%以上に不注意症状を認めるという報告があります。

 

就学期に必要とされる能力が記憶中心なのにたいし、就労や社会生活の場面では、自らの実行計画にしたがい、優先順位をつけて効率よく業務をこなしていくことが大切となってきます。このような社会生活の場面で何らかの違和感や不全感を覚えて受診するケースが多いようです。

 

例えば、子供のころから忘れ物が多かったが、就労してからも大切な約束をついうっかり忘れてしまったり、約束の時間に間に合わなかったりといったことがあります。また集中力が続かず、ひとつの業務を遂行中に別のことが目に入り気になりだすと、優先順位をつけることができずに他の作業に移行してしまい、本来の業務を放置してしまうケースもあります。職場のデスク周りが整理できずに物をよく紛失したり、自宅の部屋の整理整頓ができず、散らかった状態が何か月も続いたりというケースもあります。

 

これらの行動やふるまいは、程度の差はあるものの、誰もが思い当たることかもしれません。ところが、こうした症状のために本人の努力不足やだらしない性格と誤解され、職場で上司や同僚に指摘や叱責を受けることが度々ある場合は、大人のADHDの可能性が考えられますので、一度受診してご相談されることをお勧めします。

カテゴリー

最近の投稿

月別アーカイブ