うつ病と見分けが難しい双極性障害|ブログ|名古屋伏見こころクリニック

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うつ病と見分けが難しい双極性障害

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双極性障害は、気分が落ち込む「うつ状態」と気分が高まる「躁状態」をくり返す脳の病気で、性格の問題ではありません。以前は躁うつ病と呼ばれていたこともあって、うつ病と間違われやすいのですが、全く異なる病気で治療法も異なります。

 

多くの患者さんは、うつ状態で医療機関に受診されることが多いため、うつ病と双極性障害を見分けるのは非常に難しいといわれています。ただ、30代以降に発症する人が多いうつ病に比べて、双極性障害は10代後半〜20代に発症しやすい傾向があるといわれています。長年うつ病を治す薬を飲みながら治療をしてきたが良くならなかったという場合や、思春期の頃から気分の変動性に悩んできたという場合は、双極性障害の可能性を疑ってみる必要があると考えます。

 

うつ状態の苦しさは経験した人にしか分からないほどつらいものですが、双極性障害ではうつ状態の再発を繰り返すことによって、躁状態よりうつ状態の期間が長く続くことが知られています。このようなことから、双極性障害はうつ病よりも自殺のリスクが高いといわれています。

 

こころの病気には、現在のところ、血液や画像などの検査で確定診断できるような生物学的指標がありません。適切な診断には、これまでの病歴などの確認とともに、定期的に診察することを通して、適切な診断にたどり着く必要があります。そのため、患者さんとの信頼関係がとても重要になります。当院では一人ひとりが満足した生活を送ることができるWell-being(ウェルビーイング)な状態を目指していくため日々努力しています。

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