月曜日の朝がつらい理由―社会的時差ぼけとは|ブログ|名古屋伏見こころクリニック
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「休み明けは仕事に行きたくない」「月曜日の朝だけ特につらい」と感じることはありませんか?
もちろん、仕事のストレスが原因であることもあります。
ですが、それだけではなく、「社会的時差ぼけ(ソーシャル・ジェットラグ)」が影響している場合があります。
一般的な時差ぼけは、海外旅行などで時差のある地域へ移動したときに起こります。
一方、社会的時差ぼけ(ソーシャル・ジェットラグ)は、旅行をしていないにもかかわらず、平日と休日で睡眠・起床時刻が大きく異なることで、体内時計と社会生活のリズムがずれてしまう状態です。
例えば、平日は朝7時に起きている方が、休日は朝9時まで寝ていると、生活リズムには約2時間のずれが生じます。
そのため、月曜日の朝7時に起きても、体にとってはまだ「朝5時のような感覚」になります。
これは、時差に例えると東京とバンコクの時差(約2時間)に相当します。
朝5時に起きるように言われたら、多くの方が「まだ眠い」と感じるでしょう。
月曜日の朝がつらいのは、決して気合いや根性が足りないからではありません。
体内時計のずれによって、本来眠っていたい時間帯に起きなければならなくなっていることも、一つの原因として考えられます。
一方で、平日は仕事や家事、育児などで6時間程度しか眠れていない方も少なくありません。
そのような方が「休日くらいはゆっくり寝て睡眠不足を解消したい」と思うのは、ごく自然なことです。
実際、休日に少し長く眠ることには、睡眠不足の回復に役立つ面もあります。
しかし、毎週2~3時間の寝坊を繰り返すと、生活リズムのずれが大きくなり、月曜日の朝がさらに苦しくなるという悪循環に陥ることがあります。
休日に少し長く眠ること自体は悪いことではありません。
ただし、できるだけ起床時刻は平日と大きくずらさないことが理想です。
また、睡眠負債を休日だけで取り戻そうとするのではなく、平日に十分な睡眠時間を確保できる生活を目指すことが、根本的な改善につながります。
ただし、「今日から早く寝よう」と就寝時刻だけを急に早めても、うまく眠れないことがあります。
私たちの体には、体内時計の働きによって覚醒を保とうとする時間帯があり、これを睡眠禁止ゾーンと呼びます。
この時間帯に無理に布団へ入っても、なかなか眠れず、「早く寝ようとしているのに眠れない」と感じてしまうことがあります。
大切なのは、眠気を感じてから就寝することです。
そして、毎日できるだけ同じ時刻に起き、朝日を浴びる習慣を続けることで、体内時計が整い、夜の眠気も自然と早い時間に訪れやすくなります。
月曜日の朝がつらい原因は、「気持ちの問題」や「やる気の問題」だけではありません。
休日の生活リズムや慢性的な睡眠不足など、睡眠の問題が関係していることも少なくありません。
睡眠は、「何時間眠ったか」だけではなく、「毎日ほぼ同じ時刻に起きること」や「体内時計を整えること」も大切です。
「平日は眠い」「休日は昼近くまで寝てしまう」「休み明けになると調子が悪い」という方は、一度ご自身の睡眠習慣を振り返ってみてください。
生活リズムを見直しても改善しない場合や、不眠や気分の落ち込み、不安が続く場合には、一人で抱え込まず、医療機関へ相談することも大切です。
監修医師:宮田 明美(みやた あけみ)
名古屋伏見こころクリニック院長。医学博士。お茶の水女子大学心理学専攻卒業、名古屋市立大学医学部卒業。心理学と医学の両面からこころの問題に向き合い、精神科専門医・精神保健指定医・産業医として活動しています。